ギャンブルにおいて音楽が心理面に及ぼす影響
私たちの日常には音楽が存在していますが、聴く環境にはあまり配慮されていません。娯楽としてのギャンブルの魅力が増しているにもかかわらず、ギャンブルする環境での音楽の効果については最低限の研究しかありません。そうしたことを調べるため、ギャンブル場で観測調査が実施されました。調査結果によると、ギャンブル場では顧客層に合わせた音楽がかかることが多く、それが賭けの行動にも影響している可能性があります。
さらに、スロットマシンの音がそのマシンのイメージに大きな影響を与えていることが示唆されました。研究によると、(ギャンブルの場や行動において)音楽はギャンブルの習慣の習得や発展、維持に一定の役割を果たしているとのことです。さらなる進展が待たれる早期の研究や仮説もあります。
多くのスロットマシン、特にテレビ番組や映画、ゲームがテーマの新型機種には音楽がつきものです。スロットマシンから流れる音楽は、そのマシンのイメージ形成の大きな要素となります。具体的には以下のような要素に関係します。
- マシンの質
- 親しみ
- 独自性
- 勝った時の音
マシンの質
大部分のギャンブラーは、音や音楽の質とマシンの質を結びつけて考えます。そのため、スロットマシンの音楽の質は非常に大事になるでしょう。遊ぶ台を決める際に一番重要だと考えるユーザーもいるでしょう。
親しみ
スロットマシンから流れる音楽は、親しみやすさを感じるかどうかという点でとても重要です。グリフィスとダンバーという研究者がスロットマシンの親しみやすさに関して調査し(1997年)、ギャンブルの習慣の習得においてマシンの名前や音楽が非常に重要な役割を果たしているようだとの結論に至っています。
独自性
遊ぶ人の記憶に残りやすかったり、遊び続けようと思わせるような特徴を得る上で、音楽を利用することができます。例えば、「Rampage」というスロットマシンではRed Gamingという企業が印象的なギターリフを使用しています。そうした音楽があるおかげで、このマシンで遊んだ人の何人かはもう一度遊ぼうという気になります。このマシンで大当たりするとロックアンセムが流れます。
勝った時の音
当たった時の音はスロットマシンの音楽で補強されます。特定の曲(ロックアンセムなど)が流れれば、本人だけでなく近くの人にも当たりを知らせることができるでしょう(上の例を参照)。また、打ち手の自尊心やステータスの向上にも効果があります。遊ぶ側にとっては率直に励みになるもので、さらに遊ぼうという気になるでしょう。トレイに落ちるコインの音と同じように、音楽によって、負ける場合よりも勝つ回数の方が多い印象を与えることができるかもしれません。負けたときは音がしないからです。そのため、当たり台では負けを知らせる音楽が減っていくでしょう。